バレエ「ザ・カブキ」


東京バレエ団ベジャール追悼特別公演第二段。「ザ・カブキ」。
今年の見納めは赤穂浪士事件をもとに創られた人形浄瑠璃仮名手本忠臣蔵


首藤康之演ずる判官が切腹するシーンは感動的ですらあり、47人の赤穂浪士たちという男性ダンサーたちの討ち入り、ラストの日の丸のような朝日のもとの切腹、迫力あり、とても素晴らしかった。

そしてトリックスター的役割を持つ伴内、かそけき美しさをもつ“おかる”、主役である由良之助の表現力、跳躍力にうっとり、ドキドキ。

ベジャールがはじめて東京バレエ団に振り付けしたという「ザ・カブキ」。彼の哲学を礎にこのようなすばらしい日本文化と融合した作品を残してくれたことに感謝したい。




◆バレエを創ること。物語を語ること。その物語を生きること。そして、その物語を二十世紀に生を受けた我々のものとして生きること。物質主義に脅かされている現代の人間に、真の意味を示し、内面をきびしく映し出す、いまなお大切な忠誠心という鏡。いつの時代にも変わることのない人間として、この鏡と対峙しながら、その物語を生きること。

by ベジャール


以下写真はモーリス・ベジャールの遺品。佐々木忠次さんが譲り受けたもの。

民族衣装:セネガルを訪れたときにベジャールが着用したもの。ベジャールの曾祖母はセネガル生まれ。

絵画:ディエリー・ボスクによる舞台装置画

ベジャールがトルコで買い求めた絵画


東京バレエ団モーリス・ベジャール振付
「ザ・カブキ」(全2幕)
【主な配役】
由良之助:高岸直樹
直  義:横内国弘
塩冶判官:首藤康之
顔世御前:斎藤友佳理
力  弥:大槻政徳
高 師 直:木村和夫
伴  内:高橋竜
勘  平:長瀬直義
お か る:佐伯知香
現代の勘平:梅澤紘貴
現代のおかる:高村順子
石  堂:宮本祐宜
薬 師 寺:野辺誠治
定 九 郎:飯田宗孝
遊  女:井脇幸江
与市兵衛:横内国弘
お か や:坂井直子
お  才:西村真由美
ヴァリエーション1:松下裕次
ヴァリエーション2:長瀬直義



東京バレエ団、ベジャール追悼記念公演「くるみ割り人形」 - * cosi cosi *