フラジャイル 弱さからの出発

松岡正剛著「フラジャイル 弱さからの出発」を読みました。

最も重要な認識は、弱さは意外な多様性をもっているということ、そして欠如や喪失や挫折こそが歴史を作ってきたということである。その範囲は、歴史の上だけではなく、物理から生理をへて心理にまでおよんでいる。

さまざまな弱さ、もろさ、欠如、断片、損傷などに多種多面に、ときには自身の体験も含めて、弱さとは何か?強さが絶対なものなのか?弱さが強さの地位を震わすこともあるのではないかというように「"fragile"についての新しい意味」を綴っています。
私は観に行きませんでしたが、先日上野で開催されたhttp://www.neoteny.jp/index.htmlも「neoteny=幼形成熟の意」がキーワードの美術展だということです。1995年に記されたこの本は全く先見の明があったということでしょう。あるいはこの本が何らかの影響を与えたということもあるのでしょうか。

フラジャイル 弱さからの出発 (ちくま学芸文庫)

フラジャイル 弱さからの出発 (ちくま学芸文庫)