斎藤真一展 瞽女と哀愁の旅路@吉祥寺美術館

家でぼーっとしていたときに一村雨さんtwitterを見て、早速行動。吉祥寺美術館で「斎藤真一展 瞽女(ごぜ)と哀愁の旅路」を見てきました。

到着早々、受付横に飾られていた小説の表紙やポスターに圧倒。これは大いに期待しちゃう!
その時後ろの椅子に赤いセーターを着た男性が座っており、美術館の人が先生と呼び迎えに行っていたので彼が「もしかしてあの人が斎藤真一さん?」というので、もう亡くなってと書いてあるから違うでしょうと話していたのですが、後でチラシを見たところ、5時から朗読と音楽のイベントがあり、そのギターの人だったように思えます。セーターを赤にするなんて、展示内容との素敵な組み合わせ。

さて肝心の作品。
テーマはいくつかに分かれていましたが、中でも印象的だったのは「越後瞽女日記」。瞽女(ごぜ)の唄が流れていたので、情感豊かに観ることができました。

一年間のヨーロッパ留学を終えて帰国した斎藤は、パリで親しくなった藤田嗣治の勧めで北国を旅する。
津軽の宿屋の主人から、三味線と唄で旅を続ける盲目の旅芸人・瞽女の話を聞き、その存在に強く惹かれ、越後へ。村から村をめぐる瞽女道を自ら歩きながら、この世をすでに去った多くの瞽女の人生に思いを馳せ、「人なれば誰でも背負っている人生の悲しみという縮図」をそこに見た思いがしたのでした。そして瞽女らの生の宿命を強く印象づける赤で次々と絵を描き、その境涯を《越後ごぜ日記》にまとめました。


彼女たちの背負った哀しみ、愛、瞽女瞽女の繋がり。そういったものが斎藤独特の赤に表現されていました。漆の朱のような赫(あか)。そこには泥々としたねっとりした執念さはなく、諦念を含んだ哀しみの、でもどこか輝きのある赤。

顔は灰色がかっていて大きく、目もほとんど瞑っていたり、空いていても細い。手や指も細く、不気味な絵なのにその不思議な世界と独特の赤にぐらぐらと揺さぶられた時間でした。普段以上に見入っていて大満足。


気に入ったのは「陽の雪野」、「星になった瞽女」、「冬の月」、「お春の死 お春の恋唄」


吉祥寺美術館で前期は1/17。後期は1/20-2/21。100円ですっ!

いないいないの国へ (1978年)

いないいないの国へ (1978年)

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ランチは吉祥寺美術館のある伊勢丹の地下1Fにあるチャゴヤでチゲを食べました。ここ美味しいんですよね。