屏風の世界@出光美術館

屏風ばかりのこの企画展。屏風の面白さがぐっとわかる展示でした。そして先日読んだ「江戸の絵を愉しむ」を思い出しながらだとさらに興味深し。
現存する最古の水墨画の屏風など貴重な美術品もみつつ、愉しんだのは屏風を立ててできる凹凸を活かしたポイント。
池大雅の「十二ヵ月離合山水図屏風」は大きな崖が出っ張っているところにちょうど来るように描かれて、ぐっと大きく感じる。
雪舟筆 の「四季花鳥図屏風」も左隻の梅や右隻の竹が湾曲するように見えるよう描かれている。それに加えて、水墨画の中に花など一部に彩色が施されているのが面白かった。
大変圧倒されたものは「三十六歌仙図屏風」。描いたのは岩佐又兵衛と伝えられている。とても素晴らしい。上に歌仙たちが歌競べをする姿、下には平家物語の一部が描かれている。そして屏風の中央で柿本人麿と藤原定家がお互い視線を交わしている。それぞれの歌ももちろんのこと、下に描かれている平家物語の内容が頭に入っていれば、もっと楽しめることだろうな。
やはり絵を観るのも教養が重要。私はただ観て、その時の感じたことだけを書き留めているだけなのだけど、こういうのってもったいない。もっと勉強しなくてはその良さを存分には堪能できない。まずは平家物語を読んでおこうっと。

江戸の絵を愉しむ―視覚のトリック (岩波新書)

江戸の絵を愉しむ―視覚のトリック (岩波新書)

出光美術館
日本の美・発見IV 屏風の世界 ―その変遷と展開―
7月25日(日)まで
出光興産(出光昭和シェル) | 出光興産株式会社


そういえばもうすぐ父の日。