8月の読書記録

結構読んだつもりだったんだけど…。今月夢中になった本は「元刑務官が明かす死刑のすべて」と「イカの哲学 (集英社新書 0430)」。
アリエッティの元となった「床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)」や奥田 英朗の伊良部先生シリーズも面白かった。
8月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:2836ページ

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)
アリエッティはまだ観ていないけど。最後の含み、あら?続きも読みたくなりました。
読了日:08月30日 著者:メアリー ノートン
元刑務官が明かす死刑のすべて元刑務官が明かす死刑のすべて
死刑について何も分かっていなかったと思い知らされました。賛成だとしても、反対だとしても読むべき本でしょう。死刑囚や被害者、被害者の家族の心情のほかに刑務官やその家族の心の葛藤にも焦点があたり、また法務省という機構の中の拘置所という構造についても記されている等広範囲な内容です。あとがきにある中央学院大学重松一義教授(当時)の「死刑制度永久必要論」も死刑制度について参考になる重要な資料。
読了日:08月28日 著者:坂本 敏夫
無思想の発見 (ちくま新書)無思想の発見 (ちくま新書)
「無思想という思想」。「同じ」「同じ」を繰り返して、その意味で世界を単純化していく。これをとことん繰り返すことをしない利点。そうするのは「同じなんてない、違いしかない」という感覚世界、五感のすべてで捉えられるもの。このことは「イカの哲学」とつながってくる内容だと思う。
読了日:08月25日 著者:養老 孟司
町長選挙 (文春文庫)町長選挙 (文春文庫)
子供っぽさ全開ながら、時に鋭いことをさらっと言うのは何なんだろう?このわけわからなさが伊良部先生の魅力。「オーナー」では最初のころはつい笑い声が出てしまったけど、最後は泣かせられた。「町長選挙」では伊良部先生のマザコンぶりも面白かったけど、最後の方で会長さんのかける言葉と提案が島民への愛情を示していてジーンとした。
読了日:08月25日 著者:奥田 英朗
勝負師と冒険家―常識にとらわれない「問題解決」のヒント勝負師と冒険家―常識にとらわれない「問題解決」のヒント
読了日:08月22日 著者:白石 康次郎,羽生 善治
空中ブランコ (文春文庫)空中ブランコ (文春文庫)
すっかり伊良部ワールドにはまっています。相変わらずのぽっちゃり体型にも関わらず、案外運動神経のいい(?)ところもあってびっくり。それにしても前回同様やんちゃです。「義父のヅラ」は途中でやめることができないほどのハラハラ面白さ爆発。最後の「女流作家」はホロリと泣いた。マユミってすっごく照れやのいい子だわ。
読了日:08月17日 著者:奥田 英朗
ラ・ベットラ落合務の野菜が主役のパスタラ・ベットラ落合務の野菜が主役のパスタ
野菜とパスタが好きな人にはぴったり。レシピの数も多く、簡単なものも結構あるのがいい。最後にアレンジ自在の野菜のおかずのレシピがあって、これも使える!
読了日:08月16日 著者:落合 務
コンサルタントの習慣術 頭を鍛える「仕組み」をつくれ (朝日新書)コンサルタントの習慣術 頭を鍛える「仕組み」をつくれ (朝日新書)
読了日:08月14日 著者:野口 吉昭
ゲームの父・横井軍平伝  任天堂のDNAを創造した男ゲームの父・横井軍平伝 任天堂のDNAを創造した男
枯れた技術の水平思考」大量に出回っている安いものを使い、その使い道を変える発想をすることで別の付加価値のついたものとなる。軍平さんは「バーチャルな現実」より「現実をバーチャルにする」面白さを重視した人。そしてゲームに身体性を取り入れるほうが面白いと考えていた人なのだと思う。
読了日:08月14日 著者:牧野 武文
花神 (下巻) (新潮文庫)花神 (下巻) (新潮文庫)
あとがきにある「ある仕事にとりつかれた人間というのは、ナマ身の哀歓など結果からみれば無に等しきにひとしく、つまり自分自身を機能化して自分がどこかへ失せ、その死後痕跡としてやっと残るのは仕事ばかりということが多い。(中略)その意味ではナマ身としての蔵六の人生はじつに淡い」が大村益次郎の生きざまを象徴しているよう。その後に始まる難事の文を蔵六に託したらどんな日本になったのだろうか。
読了日:08月13日 著者:司馬 遼太郎
イカの哲学 (集英社新書 0430)イカの哲学 (集英社新書 0430)
波多野氏の解りやすい文章は短いながらも大変深い思想で満たされている。単なるヒューマニズムなどではなく、「小さな生あるものの実存を感知する」。それこそが一網投げ込むだけでイカの群れを捕獲するかのように、一つの原子爆弾を投下し、戦争を早期に勝利に導くような「超戦争」を制御するのではないかと。
読了日:08月08日 著者:中沢 新一,波多野 一郎

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