「マリー・アントワネットの画家ヴィジェ・ルブラン」展@三菱一号館美術館
「マリー・アントワネットの画家ヴィジェ・ルブラン」展の内覧会へ行ってきました。
心踊る展覧会。恋をしたくなる展覧会。
というか一目惚れもしてしまった展覧会でした。
音楽の都ウィーンからフランスに嫁いだマリー=アントワネットは、同じ年に生まれた一人の女性画家エリザベト・ルイーズ・ヴィジェ・ルブランと意気投合し、王妃の肖像画家として重用しました。彼女が描く、華やかで最新流行のドレスをまとった肖像画は、王妃のみならず、ヴェルサイユの宮廷の女性たちをも瞬く間に魅了し、ヨーロッパ中にその名を馳せていったのです。
―ホームページから
まずは一目惚れした作品から
- 「ヴォドルイユ伯爵、ジョゼフ・イアサント・フランソワ・ドボール・ド・リゴー」エリザベト・ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン
整った顔、少し開いた口、優しげにこちらを見つめるまなざし。恋しちゃう。
でも、どうやらヴィジェ・ルブランはこのヴォドルイユ伯爵と愛人関係を疑われたらしい。伯爵がこちらを見つめるまなざしに柔らかい愛を感じるのももっともなことなのかも。
- 「ジャン=ドミニク・ラレイ」マリー=ギエルミーヌ・ブノワ、旧姓ルルー=ドラヴィル
ヴォルドルイユ伯爵とは全く違うタイプの男性。後にナポレオン軍の外科医胃腸となるモデルは黒髪で軍服らしきものを着て、椅子に斜めに座りこちらを見ている。凛々しい。
ボーっと見とれていました。
一度に二人に恋してしまいました。
そして、ハッとさせられた絵もいくつも。
- 「ジョゼフ・サルル・レチエールの肖像」アンヌ・ヴァレイエ=コステル
おでこの皺も深く、しぼんだ唇で既に老齢と見えるが、ハッとさせられるような輝きがあった。そして、立体感があり、私には浮かび上がっているように感じた絵。
最大の見せ場はやはりポスターにもなっている
- 「フランス王妃、マリー=アントワネット」エリザベト・ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン
自分の肖像画を幾人の画家に描かせても気に入らなかったマリー・アントワネット。それが、ヴェジェ・ルブランに描かせた肖像画は非常に気に入り、いくつものレプリカが製作されて模写されたという。ドレスも頭の飾りも白で統一しているので、高貴さも表現されているし、肌は白く輝き、頬はサクランボのように染まる姿は愛らしく美しい。
ヴィジェ・ルブラン以外の女性画家も豊かな才能の持ち主だと思うが、ルブランはモデルの素晴らしさを表現しようと試みているところが人の心をつかむのだと思う。
三菱一号館美術館は小部屋が多く、鑑賞しづらいと思っていたのですが、カンディンスキーと今回の美術展を経るとそれが却って良いと感じました。少しずつ見ることで、時間をかけてストーリーをゆっくりと味わうことができるのと、心に湧きあがる感情がじわじわと内部に沁み込んでいくことに気付いたからです。
鑑賞後の高揚感はかなりのもの。
「マリー=アントワネットの画家ヴィジェ・ルブラン」展
―華麗なる宮廷を描いた女性画家たち―
期間:2011/5/8(日)まで
http://mimt.jp/vigee/
マリー・アントワネットの宮廷画家---ルイーズ・ヴィジェ・ルブランの生涯
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