アンリ・リヴィエール展@神奈川県立近代美術館 葉山


さて、美術展。ほぼアンリ・リヴィエール一色。リヴィエールの絵をもっと見るために、そしてリヴィエールの図録を買うために来た私たちにはまさしく望みどおり!二人で「いいね」という言葉をただ繰り返すばかり。
その色彩、グラデーションの美しさ。縦長や横長を駆使した構図。海や山の景色を切り取る時間は黄昏時、夕暮れ時、夜などが多いように感じました。そして彼が気づいたのは牛や馬、人を描く際に正面より後姿や横顔が多いこと。これらのことと空間を作ることで彼の絵を見ているとほんの少しの陰りと静けさを感じます。
北斎や広重の浮世絵に心酔し、研究を重ねたアンリ・リヴィエール。世田谷美術館のオルセー展で見た「エッフェル塔三十六景」は北斎の「富嶽三十六景」へのオマージュ。今回はいくつかの浮世絵を並べての展示もありましたが、時に北斎の版画が登場人物をユーモラスに描いていることに対し、リヴィエールの版画はどちらかというとまじめでしょうか。エッチング木版画リトグラフのほか、水彩画、写真も楽しめます。

この美術展を見た後は尚のこと、葉山の海岸の景色がリヴィエールの世界と重なっておりました。

美術展を見た後、隣の潮見公園も歩きまわり、美術館に戻り夕暮れを見ていた二人。危うくショップが閉まるところで(pm5:00)、肝心の図録を買い損ねるところでした!
リトグラフ集「星との歩み」の復刻版などあればいいのに…。

アンリ・リヴィエール展 ―フランスの浮世絵師 オルセー美術館 フランス国立図書館 所蔵―
神奈川県立近代美術館 葉山
10月12日(月・祝日)
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アンリ・リヴィエール(1864−1951)は、19世紀末のフランス美術界でブームになったジャポニスムに深い影響を受けた画家・版画家です。北斎や広重らの浮世絵に心酔したリヴィエールは、浮世絵の影響を受けつつ、フランスの自然や都市の光景を見つめ、木版やリトグラフを中心に、多くの作品を生み出しました。波、雲、雪や風など、自然の微妙な表情をとらえた画面は、私たち日本人にとっても懐かしく親しみのある世界をつくりあげています。