食の位置づけ


まだTVを持っていなかった当時、真夜中に流れたラジオからの言葉が普段耳にすることのない美しい言葉が静かに漏れてきました。
その方は料理家の辰巳芳子さん。
そして、つい最近TVで「なぜ人は食べなければいけないのだろう……」と静かにゆっくりとした言葉を繋げていた白髪の女性がやはりその人でした。
その「なぜ人は食べなければいけないのだろう。食べるということに人が費やしているエネルギーと時間は大変なもの。それをどうして費やさなくてはいけないのだろうか?」という疑問にはっとし、その番組に見入ってしまいました。
辰巳さんは食というものをみつめ、その疑問に対する答えを見つけるまでのことをゆっくりと話していらっしゃいました。その解は福岡伸一さんの著書、そしてそこに記されていたルドルフ・シェーンハイマーの学説から導き出されたものだとしていらっしゃいました。
そして、この著書の中でもその「人はなぜ食さねばならぬのか」ということと「日本の行事文化」について記しています。


―どうして、これほどまでに時間をかけて、労力をかけて、料理をしなくてはならないのだろう?―
という疑問が湧いてきたときには、この解を思い出すことにしています。

食の位置づけ~そのはじまり

食の位置づけ~そのはじまり