2011年2月の読書記録

今月は22冊読了。みをつくし料理帖村上春樹など小説に恵まれた月。
あとはカムイ伝つながりで「カムイ伝講義」に引き続き、「白土三平論」が読み応え有。

カムイ伝講義

カムイ伝講義

白土三平論

白土三平論

インド独立運動家で新宿中村屋がインドカリーをメニューに導入するきっかけにもなったボースについての本もオススメ。
中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義

中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義

2月の読書メーター
読んだ本の数:22冊
読んだページ数:6031ページ

カムイ外伝 (1) (小学館叢書)カムイ外伝 (1) (小学館叢書)
カムイ以外にカムイ伝に出てきた人物たちが全く現れないので、違う話のようにも感じるほど。白土三平論を読んでいたので、出てくる忍者の背景、系譜がわかるものもある。カムイの孤独と寂寥は止むところを知らず。
読了日:02月28日 著者:白土 三平
空中庭園 (文春文庫)空中庭園 (文春文庫)
一見、安っぽいドラマのような明るい光がぴったりな家族。でも、本当は扉の向こうにさらに鍵をかけた扉の内部にそれぞれの秘密を隠し持っている。母と娘の葛藤は身に染みるような息苦しさがあった。コウの話しは鋭いな。自分の敵は「思いこみ」とか。光と闇とか。
読了日:02月27日 著者:角田 光代
中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義
新宿中村屋のインドカリーはイギリスからのインド独立運動が発端(銀座のナイルレストランもインド独立運動家のナイルによる)。その思想と行動に解離があるとは言え、ボースの極め細やかな気遣いと気高い精神は人間的には魅力的。年齢を経て、体が弱ってもインド独立運動への熱意と運動に邁進したことは尊敬に値する。それでもやはり戦争や武力闘争を使わずに自由と独立を勝ち取ることはできないのかと考えてしまう。これは私たちの課題。大東亜戦争について何も知らないこともわかった。
読了日:02月27日 著者:中島 岳志
今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫)今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫)
“ははきぎ”というほうき草の実。極寒の中で幾度も水に晒さなければ食べられるようにならない。そんな食材に対しても澪は辛抱強く取り組む。自分の恋の行方に大きく立ちふさがる壁、さまざまな試練に直面しつつも「真の料理人」であろうと自分を戒め、成長していく姿が眩しい。寒鰆での料理対決でも澪の成長がしっかり表現されている。精進も己の糧。恋も己の糧。
読了日:02月24日 著者:高田 郁
想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
芳の珊瑚の簪は子や大切に思っている人を思う気持ちや親切で手を離れたり戻ったり。澪は胸の内に仕舞ったまま恋を知り、行方知らずだった幼なじみに、会えずとも、その腕を振るう機会にも恵まれる。「想い雲」は夢のように美しく切ない。東京では鱧は馴染みが薄いので、その捌き方は興味深かった。鰻の皮や血に毒があるとかも。
読了日:02月24日 著者:高田 郁
花散らしの雨 みをつくし料理帖花散らしの雨 みをつくし料理帖
春、新たな場所でつる屋を再開。新しい仲間や馴染みの客もふえる。再びの妨害にも負けず、懇意にしている太一やおりゅうの看病もしつつ、お澪は自分なりの料理を模索し、料理とは何かを学んでいく。季節毎の素材をどう活かすのかも愉しみ。そして澪に恋が訪れる予感♪
読了日:02月23日 著者:高田 郁
八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)
父から面白いよとシリーズ毎譲り受けた本。上方と江戸の食文化の違い、心ない非道な妨害に苦労するものの周囲の励ましをうけ、澪は自分なりの料理を見つけていく。派手ではないが、素材の活きた料理の数々。空腹時の読書は辛い。夜半の梅は涙がでる。
読了日:02月23日 著者:高田 郁
書とはどういう芸術か―筆蝕の美学 (中公新書)書とはどういう芸術か―筆蝕の美学 (中公新書)
読了日:02月22日 著者:石川 九楊
野菜が主役 (講談社のお料理BOOK)野菜が主役 (講談社のお料理BOOK)
買うかも。まさに野菜が主役なレシピ。カフェっぽさもありつつ、夕飯の献立にも合うレシピ多し。
読了日:02月20日 著者:根本 きこ
放浪ニートが、340億社長になった!―世界90か国で学んだ人生を楽しむ仕事術放浪ニートが、340億社長になった!―世界90か国で学んだ人生を楽しむ仕事術
読了日:02月20日 著者:中村 繁夫
1Q84 BOOK 21Q84 BOOK 2
読了日:02月20日 著者:村上 春樹
1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 1
読了日:02月19日 著者:村上 春樹
切り身で、刺身で、ストックで… サルビア給食室のやさしいお魚料理切り身で、刺身で、ストックで… サルビア給食室のやさしいお魚料理
買ってもよさそう。
読了日:02月17日 著者:ワタナベ マキ
白野菜 (野菜引きレシピ)白野菜 (野菜引きレシピ)
読了日:02月17日 著者:舘野 鏡子
白土三平論白土三平論
白土三平について。父親、岡本唐貴の影響。12歳で体験した信州での過酷な飢えと迫害の体験。30代半ばにして最初の接触を持ち、そのあと、隠遁するかのように住みついた房総半島の漁師まちでの生活。白土の博物誌学的知識、民俗学、民間伝承、神話学への関心。カムイ伝で言われる被差別民の悲惨さというテーマはとっくに超越したところで、漫画を描いていたことがわかった。カムイ伝第二部を終え、第三部も終わるということはないかもしれないが、この空白もカムイ伝の物語の一部なのかもしれない。
読了日:02月14日 著者:四方田 犬彦
いつかパラソルの下で (角川文庫 も 16-5)いつかパラソルの下で (角川文庫 も 16-5)
鼻の奥が何度かツーンとなった。知らずして、何かのせいにしてるのは自分の弱さや問題を見つめることから逃げていて、そのことに気がついたとき、人生が新たな側面で動き出していくのだな。あと、自分が激しく思いこんでいることは案外大したことはなかったりするもの。
読了日:02月13日 著者:森 絵都
カムイ伝講義カムイ伝講義
カムイ伝を読んだ後だったので、当時の様子が立体的に見えてきた。自分がいかに江戸時代の生活について誤解していたかもわかった。一揆、武士、農業(綿花を育てるのにあれほど労力がかかるとは!)等。カムイ外伝、第二部も読みたい。
読了日:02月12日 著者:田中 優子
街場のメディア論 (光文社新書)街場のメディア論 (光文社新書)
「定型」で語ることの危うさ、言葉から個人が欠如する恐ろしさはメディアだけの話ではない。私もこのことを肝に銘じておかなくては。「ありがとう」は贈与の始まり。
読了日:02月11日 著者:内田 樹
ベランダはじめました。 小さなベランダを愉しむアイデアノートベランダはじめました。 小さなベランダを愉しむアイデアノート
読了日:02月05日 著者:平澤まりこ
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)
読み切れていない感残る。この辺からの村上春樹は読むことができる。「世界の終り」の成り立ちがそういうものであるならば、そこで世界が終息しているとしても…などと考え始めてしまうとぐるぐると迷路に入り込んでしまう。その世界の「僕」は地下に降りることはなく、「ハードボイルド・ワンダーランド」の「僕」は深い地下に入っていく。この違いはなんだろう。
読了日:02月04日 著者:村上 春樹
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)
読了日:02月03日 著者:村上 春樹
グラン・シャレの手作り暮らし -節子・クロソフスカ・ド・ローラグラン・シャレの手作り暮らし -節子・クロソフスカ・ド・ローラ
華やかな環境に身を置きながらも、元々あるものを大事に、工夫しながら他のものへと手作りしていく。そんな姿勢がとても美しい。美しく暮らすとはこういうことを言うのか。言葉も丁寧で、まねしていきたいと思いました。
読了日:02月02日 著者:節子・クロソフスカ・ド・ローラ

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