シュルレアリスム展@国立新美術館(六本木)

シュルレアリスム展
今日から再開した国立新美術館シュルレアリスム展に行ってきました。
さすがに外に列ができるほどではなかったですが、室内は多くの鑑賞者がいました。
シュルレアリスム第一次世界大戦後にフランスで発生したものだと事前に読んでいた「シュルレアリスム―終わりなき革命 (中公新書)」で知りました。夜の激しい戦場で放たれる銃撃戦のさなかに図らずも美を見出してしまったというくだりが強烈に印象に残っています。近代に入り、それまでと違う文化、社会、産業の中で人々がどのように生きていくのか、それを問うたような芸術の運動がシュルレアリスムであると読み終えました。
そう捉えていたこともあったせいか、震災後にこの展覧会を見ることは私にとって意味があるように感じていましたし、また実際に鑑賞している時にふっと肩の荷が下りたような気さえしました。悪夢のような絵、グロテスクだったり、死や欲望を思い起こさせるものが多いにもかかわらず、というか、だからこそなのかもしれません。私の中にある恐怖や悪夢がこれらの絵のおかげで少し解放されたようです。

ホームページでお気に入りの作品を投票することもできます。
私が投票したのはアルベルト・ジャコメッティの<テーブル>。テーブルに半分布で隠れた首から上の女性がテーブルに置いてある銅のオブジェ。少し開いた口が何かを訴えているようで、引き込まれました。
彼がお気に入りだったのは投票の作品には選ばれていませんでしたが、ジャン・ドゥゴテクス<ハガクレBⅡ>。禅の世界を感じさせました。

シュルレアリスム展 ―パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による―
5月9日(月)まで
※3月19日(土)〜3月21日(月・祝)の期間は10:00〜16:00までです。事前にホームページ等で予定を確認してください。

5月15日(日)まで(延長)
5月3日、5月10日の火曜日も開館

http://www.sur2011.jp/

夜、空を見上げるとスーパームーン*1が昇っていました。一層大きく輝く月のように少しでも多くの命が救われ、一日でも早く安心して日常生活に戻れますように。
super moon, Tokyo