夜は短し、歩けよ乙女


正直なところ、
太陽の塔』は一気に読んでしまったもののその面白さがわかりませんでした。少々古めかしく独特な文体で、奇妙きてれつな人ばかり出てくる作品です。物語はどこに向かおうとしているのかしら?ただ、語らない主役と言える岡本太郎の“太陽の塔”は作品中でも圧倒的な存在感を放っていて、それを遠巻きに人々が行ったり、来たり。ムムム…。

この釈然としない気持ちに答えを見つけたいと、おなじ作者、森見登美彦の『夜は短し、歩けよ乙女』を読みました。

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

これは好き。かなり良い。


最後の方、胸がキュンとなりすぎたので、休みながら読みました。やはり不思議ちゃん、不思議さんたちばかり出てくるのですが、その奇妙な個性の出会いはゆるゆると混じりあい、独特な魅力を醸し出していきます。


この本は、お酒を飲みたくなる本です。その酔い心地はおともだちパンチでゆるくノックアウトされた感じでしょうか?ただ、飲むとするならば、お腹の底から幸せになって微笑んでしまうお酒でなくては。

あぁ、この街に行きたい。李白さんに会いたい。偽電気ブランを飲んでみたい。

妖怪?神様?のような人たちが出没してなんとか合戦をしたり、街中に不思議現象が起きたり、主人公たちはクルクルクルクルとまるで目的に向かって行動をとれていません。が、きちんとあるところに集約されていきます。


そして、最後の最後は神様による力でもなく、不思議現象による偶然でもなく。





こうして出逢ったのも、何かのご縁。


いざ本丸へ。
なむなむ