柴田是真の漆 × 絵@三井記念美術館

Takさんtwitterでこの展示会のTシャツを見たときに、そのデザインがあまりにもかっこよかったので、行ってきました。
三井記念美術館の「柴田是真の漆 × 絵」展。
入ってすぐの展示場にそのTシャツのデザインのもととなった木目のはっきりした角盆に、蝙蝠が2羽飛んでいる「流水蝙蝠角盆」があり、気持も高揚してきます。漆黒のなかに浮かび上がる粋なデザインの印籠。そして、波目がつややかに光る黒髪のような「柳に水車文重箱」。このつややかな波目は櫛箆(くしべら)使いによるものだそうです。そして、扇子の一枚一枚はそれぞれ異なる手法による扱い。このような細かな細工というか、自分の力を随意に表すその勢いに惚れてしまいそう。
茶室「如庵」では、壁紙に暦を貼っていたり、お軸が12月の節分で赤鬼(年末に節分をしていた地域もあるそう。)というのも興味深かったのですが、やはり是真の「松鶴に鸚鵡文正月揃」は見入ってしまいました。江戸の洒落っ気で、普段使っている道具をお茶道具に見立てありました。
絵画でいえば、私も彼も偶然にも一番気に入ったのが「松に藤小禽図」。枝が水に入り、また出てくるという、松でしばしば表現している構図を藤で表現したものだそうです。その藤の枝に止まっていた青い小鳥と藤がすーっと水に入るさまがなんとも良かったです。

絵画は全体的に渋い茶系の中にハッとするような群青や深緑などが入り、そのリズミカルなコントラストや、アザラシや貝、クモの巣などを題材にしたりとその視点が素晴らしく粋。
ふっくりとまんまるい、「ふくら雀根付け」もかわいらしい。
全体的に見ごたえがある、大変楽しい展示会でした。

最後に見た売店で、Tシャツの色、紫があったら買ってたのにな、と彼。


美術館近くの骨董屋のウィンドウ。

三井記念美術館

特別展 江戸の粋・明治の技 
柴田是真の漆 × 絵

平成22年2月7日(日)まで
柴田是真(1807〜1891)は、幕末から明治期に活躍した漆芸家であり画家です。是真の洒脱なデザインと卓越した技巧は、現在では日本よりも欧米で高く評価されています。
米国テキサス在住のエドソン夫妻が収集した作品約70点が初めて里帰りする本展では、これらに日本国内の優品を加え、是真芸術の魅力を紹介します。